日本、中国、韓国の世界農業遺産認定地域などが集う第5回東アジア農業遺産学会が8月27日から29日までの3日間、みなべ町で開催される。3カ国から約300人が参加し、基調講演やシンポジウム、現地見学などを行う。主催者のみなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会は、前日も含む期間中のボランティアを募集している。

 同学会は認定地域の交流や情報交換を目的に2014年から始まり、中国、日本、韓国の順に年1回持ち回りで開催されている国際会議。昨年7月、中国の湖州市で2日間にわたって開かれた第4回学会で、「梅システム」が認定されたみなべ町で開催されることが決まった。主催は東アジア農業遺産学会(ERAHS)、みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会、和歌山県、みなべ町、田辺市。国内での開催は3年前の新潟県佐渡市に続いて2カ所目となる。

 初日は同町山内の宿泊施設「ホテル&リゾーツ和歌山みなべ」で開会式と基調講演が行われる。「GIAHSの次世代への継承」「GIAHSとブランド化」などをテーマとしたシンポジウムのほか、各認定地を紹介するポスターセッションもある。2日目は現地見学で、うめ振興館や紀州田辺石神梅林などを訪れる。3日目は「GIAHSのモニタリング」「GIAHSの生物多様性の保全」をテーマにセッションが行われる。27日のシンポジウムは一般も参加できる。

 主催者は会場でのサポート、受け付けなどのボランティアを募集中で、「学会の運営をサポートし、みなべ・田辺地域の魅力を一緒に発信しませんか」と呼びかけている。申し込みは一般参加、ボランティアともに7日まで。学会に関する問い合わせはみなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会℡073―441―2896、参加やボランティアに対する問い合わせ等は㈱JTB西日本MICE事業部「第5回東アジア農業遺産学会」℡06―6252―5044。

 みなべ・田辺の梅システムは養分に乏しく礫(れき)質で崩れやすい斜面を利用して薪炭林を残しつつ梅林を配置し、400年にわたって高品質な梅を持続的に生産してきた農業システム。2015年12月に国連食糧農業機関(FAO)から認定を受けた。