詐欺被害防いだコンビニ店員に ワンクリック詐欺の被害を未然に防いだとして、御坊署は26日、日高町萩原のコンビニ「ローソン紀伊内原駅前店」のアルバイト店員、由良町網代の齋藤恵さん(25)、同町里の石方美里さん(23)に感謝状を贈った。普段から心掛けているという客とのコミュニケーションが奏功。客から相談された電子マネーの購入について、だまされているのではないかと気付き、適切なアドバイスで詐欺被害の未然防止に貢献した。

 御坊署によると、2人は勤務中の6月29日午後1時30分ごろ、店内の電子マネー売り場で、困っているようだった60代の男性客に声をかけたところ、男性は「サイトを見ていたら突然登録されましたと画面に出た。そこにあった番号に電話すると、即退会するのなら19万円必要。コンビニでウェブマネーのプリペイドカード5万円分を2枚買って、その後もう一度電話してくるようにと言われた」と話し、電子マネーの購入方法について聞かれたため、「詐欺の手口だ」と直感。警察に相談するよう促した。

 この日、署長室で大野矢雄署長が感謝状を贈呈。「ちょっとした声掛けが未然防止につながった。まさに皆さんは最後のとりで。ことし管内の特殊詐欺被害は0件。本当に感謝、感謝です」と述べた。齋藤さんは同店に勤めて2~3カ月、石方さんは4~5年。2人は「特殊詐欺のことは、いつも店内放送で流れていて、その前の日も話をしたばかりでした。お客さまへの声掛けはいつも心掛けていて、当たり前のことをしただけです。こんなことは初めてですが、よかった。これからも同じようなことがあれば、すぐに声をかけられるようにしたい」と笑顔で話していた。

写真=大野署長から感謝状を受ける齋藤さん㊧と石方さん