記録的な猛暑が続くなか、全国で22日までに昨年と比べて1・7倍近い人が熱中症とみられる症状で搬送されている。なかでも16日から22日までの1週間では昨年同期比で3倍以上。日高地方でも25日、新たに2人が病院に運ばれており、御坊市と日高広域の両消防が予防対策を呼びかけている。

 総務省消防庁の発表によると、ことしの熱中症搬送は22日までで全国4万3813人(速報値)。昨年の2万6201人を大きく上回り、県内も386人で、昨年の306人から80人も増加している。特に16日から22日までの1週間は全国で2万2647人(速報値)。昨年同期の7196人を上回り、集計を始めた2008年以降最多を記録した。
 日高地方も厳しい暑さが続いており、日高広域と御坊市の両消防によると、ことしこれまでの最高気温は日高広域消防(日高町萩原)で36・4度(20日)、御坊市消防(湯川町財部)で34・8度(24日)を記録。25日には御坊市御坊で80代の男性、印南町印南原で80代の女性がそれぞれ熱中症の疑いで救急搬送された。

 これで、ことしの熱中症搬送(疑い含む)は日高広域21人、御坊市9人。日高広域では13日以降、御坊市では14日以降に急増し、25日現在、前年同期と比べて日高広域で2人少なく、御坊で同数となっている。搬送された人は、子どもからお年寄りまで幅広く、場所は屋内がやや多いという。

 予防は①暑さを避ける②涼しい服装③こまめな水分補給④急激に暑くなる日は注意⑤暑さに備えた体力づくり⑥体調に合わせた行動――がポイント。両消防では熱中症が疑われる人がいたら応急手当てとして、▽涼しい場所や日陰のある場所へ移動し、衣服をゆるめて安静に寝かせる▽エアコンをつけて扇風機やうちわで風を当てて体を冷やす▽飲めるようなら水分をこまめに取らせる――ことが大切としている。

写真=屋外で汗を光らせ作業する男性 (26日昼、御坊市内で)