6月6日は「梅の日」。紀南地方の梅産地で構成する紀州梅の会(会長=真砂充敏田辺市長)は、ことしも当日にみなべ町西本庄の須賀神社で記念式典、京都賀茂神社に梅奉納などの取り組みを行う。「地元から梅干しを食べよう」という運動も展開しており、町うめ課では「家庭でも梅干しのおにぎりを食べてもらいたい」と呼びかけている。
 室町時代の1545年4月17日(現在の暦で6月6日)、晴天が続いて作物が育たなかったため京都の賀茂神社例祭で後奈良天皇が梅を献上したところ、雷鳴とともに大雨が降った。人々はこの雨を「梅雨」と呼び、梅に感謝したという。この故事にちなみ、梅に感謝するとともに受け継がれてきた伝統文化を継承し「梅のある暮らし」を広げようと、2006年に紀州梅の会が日本記念日協会に申請し、「梅の日」として登録された。
 梅の日のイベントはことしで13回目。地元の須賀神社と熊野本宮大社で記念式典が行われ、地域を潤す梅に感謝する。京都の下鴨と上賀茂の両神社には「紀州梅道中」として青梅を奉納する。東京の大田市場では梅フェアを開催し、梅ジュースの試飲、梅干しの試食などでPRする。首相官邸の表敬訪問も予定しており、安倍晋三首相に梅製品などを贈る。日程等は調整中。「まずは地元から梅干しを食べよう」という運動も展開。みなべ町では8小中学校の給食で、児童や生徒が自分で梅干しおにぎりを握って味わう。梅干しは町内の農業団体で組織する「アグリ5」が提供。米は同町と交流がある新潟県南魚沼市のコシヒカリを使用する。田辺市でも幼稚園・保育所、小中学校の給食に梅干しが提供される。みなべ町では14年10月に「梅干しでおにぎり条例」を制定。15年6月には「梅で健康のまち宣言」も行われている。