県と県食品衛生協会などが主催するノロウイルス食中毒予防対策講習会が16日、御坊市民文化会館で開かれ、日高地方の集団給食関係者や飲食店など食品関係事業者ら約230人が参加。公益社団法人日本食品衛生協会学術顧問の丸山務氏(79)が国内の集団食中毒の発生状況と原因などを踏まえ、調理従事者らの手洗いの重要性を訴えた。
 丸山氏は食中毒の発生は冬場が多く、原因はこの10年間、ノロウイルスとカンピロバクターがトップを競い、患者数ではノロウイルスが圧倒的に多い状況を説明。「食品を扱う現場では、腸炎ビブリオなど抑圧に成功した対策を継続しながら、常に新しい食中毒に知識と技術、考え方を集中していかねばならない」と強調した。
 ノロウイルスの原因施設別では飲食店、旅館、仕出し屋の3つで全体の8割を占め、大規模な食中毒事例では▽原因が仕出し弁当▽従業員の健康管理が行われていない▽調理従事者の手を介して汚染が広がった││などの共通点があると指摘。「これらの結果からいえるのは、手洗いの理解が不足しているということ」などとし、手洗いの重要性の再認識を呼びかけた。