紀州日高漁業協同組合が、ことし5月から販売している海藻の一種「アカモク」が上々の人気だ。600㌔弱を生産したところすでに半分が売れており、御坊市内の魚屋では天ぷらに混ぜ込んだ新商品も開発。着実に知名度がアップしている。
 由良町の戸津井や小引に群生しているアカモクで、組合員や地元女性でつくる「アカモク会」が水揚げして加工。それを同組合が買い取って「紀州あかもく」として県内で初めて商品化した。これまでも紹介した通り、アカモクは独特の粘りがあり、くせのない味が特徴。ポン酢やめんつゆにつけたり、ご飯やうどんに乗せたりして食べるとおいしい。さらに特筆すべきは豊富なミネラル成分で、健康食品としても注目。前にこの小欄で筆者も提案したが、今度、本格的に由良産のアカモクについて専門機関に成分分析を依頼する。ミネラルが多いのは間違いないが、専門機関のお墨付きを得ることで、一層販売促進につながる。
 また、さらにアカモクをPRしていくには、オリジナルレシピの開発も必要。すでに関係者がパスタ料理なども試作しており、何か冊子やホームページで紹介できるようになればいいと思う。そこで勝手に思ったのが、みなべ町在住の料理研究家で野菜ソムリエの吉野健一さんにアカモクを使ったオリジナルレシピの開発を依頼してはどうだろう。吉野さん自身、「和歌山の素晴らしい食材を発信したい」としてすでに梅料理や由良産のニンニクを使ったオリジナルレシピを開発。以前、アカモクの話をしたところ興味深そうに聞いてくれていた。いずれにしてもアカモクが地元の新産品として定着し、地域振興につながることを期待している。 (吉)