みなべ町東本庄、梅加工業者の㈱東農園(東善彦社長)は14日、同社近くの梅畑で縁起がいいといわれる申年の収穫を祝う「黄梅祭(おうばいさい)」を営んだ。同社が12年に1度、申年に行っている神事。収穫した梅は「五福」として11月から販売される。東社長は「各社が申年の梅をPRすることで、梅全体の価値を高めることができる」と話していた。
 平安時代の村上天皇が疫病にかかり、申年の梅干しと昆布を入れた茶で病を治したといういわれと、「病が去る」「難が去る」との語呂合わせから、申年の梅は縁起がいいといわれる。同社が申年に営んでいる黄梅祭は、ことしで3回目。恵方に当たる南南東に位置する通称「新改梅園」で行われた。須賀神社の前芝弘知宮司が神事を行い、同社の従業員15人が列席して産地の発展を祈願。花が咲いた2月には梅花神事も行っており、今後は7~8月の天日干し時期に調製神事も行う。新改梅園の梅でつくった梅干しは「五福」として売り出す。同社では、今月7日には西又梅園(滝)で御神縁の神事、翌8日には畑ヶ谷(東本庄)の園地でも黄梅祭を営んでいる。東社長は「ことしの梅は申年の梅で、縁起がいいといわれていることを広く浸透させることが大切。それには業界挙げて取り組まなければならない」と話していた。