御坊日高の魅力を県内外に発信する地域活性化イベント、御坊日高博覧会、通称おんぱくは、ことしは7月31日に開幕する。若者を中心にさまざまな職種の有志が集まって、「何か楽しいことをしよう」と昨年初めて開催し、大成功した。身近にあるもの、自分の得意なことなど、いまある資源を生かした体験プログラムはどれも新鮮で、地元にも磨けば光るものがたくさんあるのだと再認識した人も多かったろう。ことしのプログラムは近々発表されるが、昨年よりも増えており、質、量ともにボリュームアップしているだろうといまから楽しみである。
 先日、おんぱくをPRしようと、プロモーションビデオの撮影が行われた。九州新幹線の開通CMをイメージし、紀州鉄道の沿線にエキストラに集まってもらい、笑顔で手を振っている姿を車窓からビデオに収めた。実行委員会としてPVを制作したわけではない。ことしのおんぱくでプログラムを提供するパートナーの女性2人が発案し、自主的に企画して、エキストラの募集、撮影とすべて段取りしてやったことには感心させられた。11日に行われた撮影本番では、多くのエキストラが参加したことも、おんぱくという言葉が地域に浸透している証であろう。
 PV企画の女性2人のように住民が主役になることがおんぱくの魅力。そしてまちを元気にしたい、人を喜ばせたいと思う人が育っていることこそが、おんぱくの成果である。誰かにやらされるのではなく、やりたいからする。行政に頼る地域おこしとの決定的な差である。実行委員会メンバーの熱い思いは着実に広まっている。地域づくりは、人づくりからであることを、再認識させてもらった。(片)