15日の告示が目前に迫った注目の御坊市長選。現職柏木征夫氏(75)=御坊市薗=と新人二階俊樹氏(51)=御坊市島=の一騎打ちが濃厚で、激しい前哨戦を繰り広げている。本紙では、両立候補予定者がまちづくりの政策についてどのような考えを持っているのか、4項目でインタビューした。各項目別に4日間にわたって紹介する。3回目は子育て、高齢者、障害者支援を含めた「福祉施策」。
 柏木氏
 子育て支援ではすでに実施している第3子以降の給食費や保育料の無料化、子育て応援給付金を継続することに加え、経済的支援として子ども医療費無料化を高校卒業まで拡大したい。子育てしやすい環境づくりも非常に重要で、学童保育の対象年齢を小学6年まで拡大し、ファミリーサポートセンターを開設して一時的な保育をより充実させていきます。子育て世代の母親の交流の場、相談できる場として女性の拠点場所も整備したい。高齢者支援では、御坊市は全国でも先進地として評価が高い「認知症対応支援チーム」による早期発見、早期対応の体制を強化するとともに、介護予防や健康づくりの環境を一層充実させたい。高齢者にとって切実な問題である移動手段の確保も不可欠と考えています。暮らしに優しいまちづくりの一つとして、現在も行っている手押し車や電動車いすでも利用しやすい道路環境をさらに進めていきたい。発達障害の早期支援が必要な幼児、児童、生徒に対して福祉、保健、医療、教育が連携して継続的に支援できる体制づくりを進めなければと思っています。学校教育では、子どもたちが集中して勉強ができるように空調の整備を、順次進めていきます。
 二階氏
 これまでの御坊市は「財源がない、国や県の施策である」といった「あるべき論」にとらわれ過ぎてきたように感じます。子育て支援では、経済的施策としてニーズの高い医療費無料化を18歳までに拡大します。働く親を支援するための保育園・幼稚園、小学校の環境改善を現場の声、親、子どもたちの意見を聞いてみんなが納得できる政策を考えていきたい。障害者や高齢者の方々と話をさせてもらう中で、年金が少ない現状、若い人が身近にいなくなる不安を感じている方が多いことを感じました。助けが必要な時は率直に言ってほしいのが私の願いです。各分野それぞれに課題がありますが、子育て、高齢者、障害者の各支援を切り離して考えるのではなく、連携を取り合いながら優しいまちづくりに取り組みたい。そのためにはボランティアの力が重要。「人の役に立ちたい」と志を持った多くの市民に活躍してもらえる仕組みを作り、子育て、障害者、高齢者支援のボランティアを増やしたい。互いに支え合うまちを市民協働で進め、日本一の福祉のまちを目指します。また、戦後70年以上が経過し、平和の尊さを語り継ぐためにも、戦没者追悼式等への小中学生の参加等にも取り組みたい。