先日、紀美野と有田川の両町にまたがる生石高原(標高870㍍)で、春の風物詩になっている「山焼き」が行われた。ススキの名所として知られる観光スポットで、山焼きはススキ以外の草木も一緒に焼き払い、その灰を肥やしに新しいススキの芽吹きを促進、美しいススキの草原を再生させるための行事として平成14年から行われている。
 以前取材したことがあり、ことしも招待してもらったが、あいにく間に合わなかった。テレビや新聞のニュースで見たが、ことしは約9万3000平方㍍を焼いたそう。グラウンド10面分といったところか。一斉にススキが焼き払われる光景は壮大の一言。火は風にあおられ、どんどん大きく広がり、ぱちぱちと大きな音や黒煙が上がっていく。消防関係者らの厳戒体制下で行われる。過去には雨だけでなく、風が強すぎたため延期、中止になったこともある。同じ火でも、火事は困る。
 山焼きが行われた同じ日。取材現場へ車で向かっていると、前を走る車が窓から大量のたばこの吸い殻を捨てた。1本をポイッとしたのではなく、灰皿ごとガサーッといった具合。車に灰はかかるし、迷惑も甚だしい。何より火災になったらどうするのか。冬から春へ、空気が乾燥して火災が発生しやすく、また強い季節風で、大火になりやすい時期。山火事予防運動も行われたばかりだ。
 たばこのポイ捨てもさることながら、日高地方では最近、たき火による、またはたき火が原因とみられる火災が発生している。空気が乾燥し風が強く延焼拡大したり、火の粉が風で飛び火して周囲に燃え移ったり、消火が不十分で再び燃えだしたり。火の取り扱いには十分注意し、日ごろから家庭、地域、職場で火災予防を心がけよう。(笑)