JR御坊駅のバリアフリー化工事がこのほど完成し、23日に同駅で記念式典が行われた。メーンのエレベーター設置やホームのかさ上げ、多目的トイレ、スロープなどが設けられ、すでに16日から供用がスタート。より利用しやすい御坊の玄関口として生まれ変わった。式典ではJR西日本和歌山支社の川井正支社長が「利用しやすく、より愛される駅を目指す」と決意を新たにした。
 改札口前で行われた式典には、バリアフリー化の要望活動を続け、実現に尽力してきた御坊市の柏木征夫市長や御坊商工会議所の吉田擴会頭、御坊ロータリークラブの丸山信仁会長、市議会議員ら約40人が出席。主催者を代表して川井支社長があいさつし、交通バリアフリー法の制定に尽力した二階俊博代議士や署名活動を展開した多くの関係者の協力のおかげで実現したことに触れ「『便利になった』との喜びの言葉をいただき、これ以上の励みはない」と感謝。「引き続き愛される駅、愛される鉄道、愛される地域づくりへ全力でまい進し、より利用しやすい環境を整えていく」と力を込めた。来賓の岡本敏秀日高振興局長は「人にやさしい玄関口にふさわしい駅になった」、柏木市長は「実現に協力いただいたすべての皆さんに感謝」、西本和明市議会議長、中村裕一県議、二階代議士の長男で秘書の俊樹さんも祝辞を述べた。続いて1番ホームのエレベーター前に移動し、川井支社長や柏木市長らがくす玉開きで完成を祝った。御坊駅の小谷典史駅長の案内で見学し、市身体障害者福祉協会の湯川芳規会長、同肢体障害部会の柳岡克子部会長も実際に利用した。
 メーンのエレベーターは1番ホームと2番ホームに新設。車いす利用者はこれまで、ホーム南端の昇降機を使わなければならなかったが、妊婦や高齢者、大きな荷物を持った観光客らの利便性が大幅に向上した。ホームのかさ上げで電車のドアとの段差を小さくし、駅入り口や紀州鉄道との連絡通路にはスロープを設置。警告誘導ブロックや音声案内なども整備した。総事業費は約3億5000万円。事業主体のJR西日本が3分の1を負担し、残りは国が3分の1、地元御坊市と県が合わせて3分の1を補助。市には御坊ロータリークラブから200万円の寄付もあるなど、地域住民念願のバリアフリー化となった。