由良と広川町の行政、議会、区、企業などでつくる「国道42号由良町畑広川町井関間改良促進協議会」の設立総会が3日に由良町役場で開かれ、畑と井関地内を結ぶ水越峠の国道42号(延長6.4㌔区間)の早期改良へスクラムを組んで取り組んでいくことを確認した。この区間は急勾配、急カーブが続く交通の難所で、大雨時には通行止めになるなど物資の輸送にも影響。今後、新トンネルの整備なども視野に入れた抜本的対策を国に求めていく。
 総会での説明によると、水越峠の国道42号は、由良町内の観光地まで結ぶルートとなっているほか、町内企業のセメント、木材など建設資材、橋の鋼材や柑橘類など農産物を輸送する重要な道路だが、急勾配と急カーブの連続で超低速運転を余儀なくされることがある。さらに連続雨量が240㍉を超えると通行止めとなり、過去5年間では3回。うち先月中旬の台風11号では22時間通行止めとなり、う回路の海岸線道路を大幅に遠回りしなければならないなど、交通に大きな支障を来した。また、巨大地震や津波が発生した場合に、高速の広川インターから水越峠を越えて由良町に迅速な救援、救助、物資輸送が必要となるため、同町民にとっては〝命の道〟ともなる。
 こういったことからかねて抜本的対策を求める声が出ており、協議会設立で本腰を入れて進めていくことになった。本年度の事業計画では、改良促進への調査と研究や国、県、関係機関への要望活動などを行っていく。総会の場では抜本的対策の内容や整備の目標年度についてまでは話が出なかったが、仮にトンネルを含む新ルートを整備する場合には100億円超の予算が見込まれる一大事業になるとの試算もある。
 役員選出で会長に就任した畑中雅央由良町長はあいさつの中で、「既設の水越トンネルが完成して供用開始したのは昭和40年。ことしで50年、半世紀を迎える。改良が困難なのはもとより分かっているが、強靭(じん)な道をつくるため、できるだけ早い時期に調査と研究を進め、事業着手をお願いしていきたい」と意欲をみせた。来賓の県土整備部道路局の辻本紀之局長は「先月上旬の台風11号での通行止めで、脆弱(ぜいじゃく)な道路であることを再認識した」、冨安民浩県議は「50年前だと十分機能する道路だったが、道路の高速化などが進み、いまではそうはいかない。互いに頑張ろう」などとバックアップを約束した。同協議会の顧問には日高郡選出の3人、有田郡選出の2人合わせて5県議が就任。会長以外の役員とメンバーは次の皆さん。
 副会長=西岡利記(広川町長)▽監事=玉置一郎(由良議会議長)、辻本隆司(広川議会議長)▽メンバー=藤田富三(由良議会副議長)、金野英子(広川議会副議長)、森口隆夫(畑区長)、片山善和(河瀬区長)、丸宮信幸(由良観光協会会長)、久保秀夫(JA紀州代表理事組合長)、松村德夫(紀州日高漁協代表理事組合長)、藤岡伸近(MES―KHI由良ドック㈱代表取締役社長)、平見勝洋(㈱駒井ハルテック和歌山工場長)、青木正人(ポリテック㈱代表取締役社長)、川口明美(県トラック協会第3ブロック日高支部長)