美浜町長選・町議選に有権者の審判が下った。町長選は現職の森下さんが元町議の新人を1146票の大差で破り、町議選は現職6人と新人4人が当選、現職と新人が1人ずつ涙をのんだ。森下町長は職員と一丸となって、防災をはじめ各分野の事業を進め、議会は行政の監視にしっかり力を発揮してほしい。
 2期目に入る森下さんの目の前には、新年度予算編成という大仕事が待っている。3月議会は骨格予算となるが、6月にはこれに政策的経費を肉付けした本予算を提案、成立させねばならない。4年前を振り返れば、森下新町長は就任後初の議会に自身の報酬を減額する条例案を提出したが、「報酬審議会の審議を経ていない」と責められ取り下げとなり、初の当初予算は松林でヤギを飼育する経費を含めて提案したが、議会の猛反発を受けてこの分の予算(35万円)を削るはめになった。
 プロ野球なら開幕1軍を果たしたルーキーが初登板で炎上、プロの洗礼を浴びる「ほろ苦デビュー」といったところだが、年4回の定例会を登板試合とすれば、無失点の勝利は一度もなかったのではないか。一見、議会は大いに活性化したようにも見えるが、議論の中身からも、町長選のしこりが消えなかった4年間だったとみる住民は多い。
 町長はまちづくり、議員はその行政運営を監視するのが仕事。それぞれ大きな権力を握る政治家になるため、森下さんと10人の議員は選挙という戦いを勝ち抜いた。結果、議会側の顔ぶれも大きく変わった。町長はしっかりとした政治のビジョンを示し、議員は大局的な視点でそれを支え、チェック機能を果たせるか。
 ともに目指すは美浜町民の幸せ。だれがどこを向いて仕事をしているのか、住民の目はごまかせない。  (静)