去る12日は成人の日だった。大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い励ます日だ。成人式は正月の帰省に合わせて年明けに行う市町村もあるが、各地で華やかな振袖を着た女性の姿が見られた。筆者の20歳の時は実家から離れて遠方で生活していたため、式には出席できなかった。いま思えば、一生に一度の晴れの日。無理にでも時間をつくり、式に出ておけばよかったと後悔している。
 話は少し変わるが、日本では人生の節目や年月の区切りにはいろんな式が行われる。個人の人生の節目としては結婚式、入学式や卒業式など。基本的に、式は礼儀正しく厳かな雰囲気で行われるべきだろう。もちろん、成人式も同じことだ。しかし、ニュースでは新成人が羽目を外しすぎる光景も見られ、荒れた雰囲気の中で行われる自治体もあるようだ。大人になる節目の行事だからこそ、式の最中だけでも清らかな気持ちで凛々しい姿勢を貫いてほしいと思う。
 昔の若者に目を向けると、戦時中は20歳ぐらいの若者が国のために命を捧げて戦った。現代でも世界では、若者だけでなくあどけない子どもたちが生きることさえ難しい状況にあることも多い。先日もナイジェリアで十代の女の子が自爆テロを強要されるという悲しい事件が発生した。戦時中の若者、貧困の中にある子どもたちと比べると、いまの日本で暮らすことはどれだけ恵まれているだろうか。
 大人になった新成人の皆さんには、人生の節目としてこれまでの20年間を振り返ってみてほしい。育ててくれた両親ら周りの人たち、平和な国を築いてくれた日本人の祖先に対する感謝の気持ちを忘れずに持ち続けてもらいたい。そして、この平和を次世代へ引き継ごう。  (雄)