和歌山放送ラジオは4日、新春恒例の特別番組「県出身国会議員座談会」を放送し、衆議院4人、参議院2人の6人がアベノミクスや国土強靭化、地方創生などをテーマに意見を交わした。昨年末の解散総選挙の結果、野党は和歌山1区の岸本周平氏(民主党)だけとなり、今回は議論が白熱する場面もなく、景気対策、災害、和歌山再生など大きな課題に党派を超えてスクラムを組む新年スタートとなった。
 衆議院は民主党の岸本氏、自民党の二階俊博総務会長(和歌山3区)、石田真敏氏(同2区)、門博文氏(近畿比例区)で、参議院は自民党の世耕弘成内閣官房副長官と鶴保庸介党政策審議会長。安倍内閣が最優先課題として進める経済対策、アベノミクスに関しては、世耕氏が「つなぐ」という言葉をキーワードに、「ことしは『大企業だけがうまくいっている』というような言葉が出ないよう、すべての経済、地域をうまくつなげていくことが重要。中小企業の原材料等の値上がり分を大企業側に価格転嫁できるようにしたり、内部留保をため込む大企業の利益を従業員や取引企業に分配するつながりをつくっていきたい」と抱負を述べた。
 野党の岸本氏は「アベノミクスの批判ではないが」と前置きのうえ、「財務省や経産省の官僚は過去の成功体験を基にきめの細かい、美しい税制をつくっているが、大きく変わってしまった経済構造の下、政府がやってきたこれまでの産業政策がかなうのか。政治家自身も虚心坦懐、頭の発想を変えなければいけない」と指摘。さらに「アベノミクスはことし、原油安の神風をうまく生かし、とにもかくにも実質賃金をプラスに持っていくことにかかっている」と考えを示した。
 二階氏は自身が提唱者として推し進める国土強靭化について、司会から昨年末の安倍総理との会談で国土強靭化に5年間で最大70兆円の予算措置を要望した狙いを聞かれ、「地方創生も国土強靭化も、地元の自主的な判断による国への提案が大事で、ともに車の両輪のごとく進めていかなければならないということを総理に進言申し上げた」と答えた。