みなべ町の梅加工業者で結成する紀州みなべ梅干協同組合(小山豊宏組合長)は和高専と共同で、紀州産の南高梅を使った飲料水「梅アクティーボ」を開発した。来年3月ごろから販売を開始する。クエン酸による疲労回復効果があり、小山組合長は「来年の国体などで広くPRしていきたい」と話している。
 同組合で商品開発を行うのは今回が初めての試み。県中小企業元気ファンド事業の支援を受け、3年前から取り組んだ。商品名の「アクティーボ」はスペイン語で「元気が出る」という意味。コンセプトは「喉ごしさわやか元気いっぱい」。梅肉エキス、梅果汁、梅酢の配合を変えた5種類のサンプルをつくり、20人が試飲して「おいしさ」「飲みやすさ」をそれぞれに評価を加えた。開発には和高専の藤本晶教授らが協力し、人間が感じたことを数値で表す感性工学の手法を飲料製造、ネーミング、パッケージにも取り入れた。ゼリー状の飲料水で、容量は180㌘。疲労回復に効果のあるクエン酸の含有を高め、1袋当たりで1400㍉㌘となっている。パウチ容器入りで、パッケージには「紀州南高梅使用」「喉ごしさわやか壮快梅酢ゼリー」などと表示されている。販売は加盟43社で行い、各社の販売ルートを通じてPRしていく方針。希望小売価格は200円(税抜き)。
 9日にはみなべ町商工会南部川分所で発表会が開かれ、小山組合長は「アスリートや若者をターゲットとし、来年の国体などに向けてPRしていきたい。梅の消費が低迷しているが、みなべ町を少しでも元気にしていきたい」、東善彦PR担当理事は「いままでになかった梅飲料ができた。ヘルシーな商品でスポーツ、レジャーなどで日頃から飲んでいただきたい。海外にも目を向けていきたい」と期待している。開発に携わった藤本教授、㈱梅一番井口の栗須美華品質管理室商品開発係長が経過を説明した。