プロサッカーのJリーグで、昨シーズンは優勝争いしていた強豪のセレッソ大阪が今季、ブービーの17位で来季はJ2に降格することになった。セレッソといえば御坊市出身で日高地方唯一のJリーガー酒本憲幸選手が在籍している、地元でも人気のあるチーム。柿谷曜一朗や山口蛍といった日本代表組に加え、ウルグアイのスーパースターであるフォルランを獲得。イケメン選手人気も手伝って練習場にはセレ女と呼ばれる女性ファンが増え、社会現象にまでなった。「史上最攻」のスローガンをかかげ、優勝候補にまで挙げられていたが、結果はこの通り。いかに能力のある選手がそろったところで、うまく機能しなければ大きな力にはならないということだろう。チームスポーツの難しさであり、また醍醐味でもあるのだが。
 J2降格が決まった鹿島アントラーズ戦のスタジアムには、「史上最攻は経営だけ」などとつづられた横断幕も掲げられていた。セレ女を代表するように観客動員や経済効果は確かにあったようだが、肝心のチームが低迷してはまったく意味がない。一部で指摘があったように現場と経営側の隔たりが一つの要因だろう。選手はただの駒ではない、選手あってのチームでありフロントであろう。
 選手とフロントではないが、国民と政治も同じこと。だれが望んだ解散総選挙か知らないが、流れるままに衆院選まっただなか。実力のある政治家もいるだろうが、一つの集団として大きな力を発揮しなければまったく意味がない。この国をどのようにどうしたいのか、候補者の名前の連呼が中心の選挙運動だが、具体的なビジョンと数値目標を国民が分かるように示してもらいたい。  (片)