御坊市の柏木征夫市長は9日に再開した議会一般質問の中で、使用済み核燃料中間貯蔵施設に触れ、「御坊に持ってくるのは心外」などと、あらためて御坊への誘致の可能性を否定した。関電はことし9月、同社管内の発電所の敷地内で同施設の建設場所を探していることを発表。これを受けて楠本文郎議員が「発電所がある御坊への誘致の可能性はあるのか」と質問したことに対して答弁した。
 楠本議員は「関電の八木誠社長が、ことし9月26日の記者会見で使用済み核燃料施設について『福井県外にある関電の発電所内につくることも検討している』と言った。建設条件は①燃料を運ぶ船が入れる港がある②保管できる広い敷地がある③地震などに耐えられる強い地盤――。福井県を除く管内の全210自治体を訪れ、施設の必要性について説明を続けているとしている」と紹介。その上で「関電からの打診はあったのか」「建設場所の条件は御坊の場合満たされると思うが、どう考えるのか」「関電の火力発電所は京都府2カ所、兵庫県4カ所、大阪府3カ所、和歌山県2カ所。人口の多いところに持っていかないから、御坊市はうんと可能性がある」など6項目にわたって質問。1回目の答弁で柏木市長は「現時点で関電から設置の要望を受けていないし、こちらから要望もしていない。一昨年にも答弁した通り、中間貯蔵のことは私の脳裏に一切ない。だから仮定の話についても一切答弁できない」と答えるにとどまった。
 しかし、楠本議員が「16年12月に市長は『国の核燃料サイクル確立の見通し、電力会社の立地意向、市民合意の3つの条件が整わなければ誘致の検討はない』と答弁されたが、その認識に変わりはないか。関電は建設場所を探すため動いており、やはり御坊は可能性が高いと考えられる。関電からの説明はあったのか」などと再質問。これに対して柏木市長が「3条件の認識は変わっていないが、御坊には場所がない。どこにもない」と強調し、「火力と原子力の誘致は事前の交付金がどれだけ入ったか、私は嫌というほど知っている。たくさんもらっているところが、中間貯蔵の最後まで面倒をみるべき。御坊では約束していた第二火力発電所も中止した。それでも御坊に持ってくるというのは心外」と明言し、関電への不快感もあらわにした。担当課は「関電から一般的な中間貯蔵施設についての説明は受けた」と補足した。
 午前中は、村上宗隆議員が「国土強靭(じん)化法の利活用」、小池佐左夫議員が「プレ国体開催の検証」などでも質問した。