南部郷梅対策協議会梅生育不良特別対策部会は、町内のことしの梅生育不良樹本数をまとめた。3397本で、前年比31%の減少。ピークだった平成12年と比較するとわずか5%ほどの本数になっている。原因についてははっきりと解明されていないが、梅農家は「以前は死活問題だったが、いまはかなり減少している」と話している。
 生育不良は昭和63年ごろからみなべ町や田辺市内で確認され始め、その後は一気に増加。町内の発生本数をみると、平成6年には1万2077本だったが、3年後の9年には2倍以上の2万8618本。12年のピーク時には6万8302本に達し、発生割合では全体本数の12%にもなった。主産地のみなべ町などでは農家などが「死活問題」と訴え、関係機関が原因究明を進めたが、はっきりと解明されないままだった。しかし12年以降は減少に転じ、3年後の15年には2万7512本とピーク時の3分の1に減少。20年からは1万本を割り込む状況となっている。ことしの3397本の内訳は軽症樹が1520本、重症樹が1127本、枯死樹が750本で、植栽本数65万1000本に対して発生割合は0・5%だった。
 8・9月に全農家1417戸を対象にアンケートを行い、回答があった935戸(66%)の集計結果をまとめた。同協議会では「アンケート結果は減少傾向となっているが、中には樹勢が低下している木もあり、来年以降の状態が気がかり。いつ症状が急変するかわからず、安心はできない」「樹勢回復や樹勢維持を十分考慮したうえで、剪定や土づくりなど今後の管理を徹底してく必要がある」などという意見があった。