太陽光などを用いて発電された電気を、固定価格で買い取る「全量買取制度」が2012年7月にスタートした。一般的な家の屋根にパネルを取り付けて発電し、家庭で使わない電力を売電する住宅用の「余剰買取制度」とは異なり、10㌔㍗以上の産業用に適応される制度。現在の売電価格は32円で住宅用より5円低いが、買い取り期間が住宅の2倍となる20年で、また発電電力すべてを売電できるのが特徴。国が保証していることもあって、さまざまな企業・法人が参入。日高地方にもいたるところにパネルが見られるようになった。また法人だけでなく50㌔㍗未満なら個人でも手軽に始められ、サラリーマンの副収入や手堅い投資として注目されている。
 そんな産業用ソーラーについて9月に九州電力が新規申し込みの回答を保留することを発表。追随するように他の電力会社も同様のことを発表し、「太陽光発電バブル崩壊」とも言われている。保留の理由について九州電力のホームページによると、接続申し込みが急増し季節によっては太陽光や風力での発電が消費電力を上回る時間帯もあり、需要と供給のバランスが崩れ、電力の安定供給が困難になる可能性があるとしている。また太陽光発電が増えることは環境面でいいように思うが、天候に左右されるため安定供給の面で問題だ。
 解決策の一つに大規模な蓄電池整備がある。アメリカではすでに取り組まれており、日本でも今後進められていくとのこと。太陽光発電は環境面だけでなく、電源を分散することで災害時の非常用電源としても重要な役割がある。一過性のものにならず、安定した日本の電力供給源になることを期待したい。    (城)