県は24日、鳥獣害対策としての県営射撃場建設計画について候補地として名乗りを上げている印南町印南原地区で説明会を開き、地元住民ら50人が参加。仮に設置するとなった場合、想定施設は国体を開くことができる規模であることなどを紹介し、「実施には多くの住民や関係者の理解が必要で、現段階ではするともしないとも言えない。今回の説明会が第一歩」と話した。
「スキート射撃」、「ライフル射撃」などの種類があり、印南原ではトラップ2面、スキート1面、ライフル5射座を想定していると紹介。射撃場は規模などでAAA、AA、Aなどの格付けがあり、印南原での想定はAで認定を受ければ国体を開くことができる規模だという。設置は県で、運営は専門的な知識を有する団体などに指定管理していく方針であることを説明。仮に設置が決まった場合、設計や造成などで完成までに4年かかることも話した。
 参加者からは騒音や鉛害についての質問があり、県はそれらの対策は国の「指定射撃場の指定に関する内閣府令」に定められていることを説明し、鉛害対策については着弾範囲の舗装などの方法も紹介した。最後に「鉛害、騒音、造成による川の濁り、また濁りによる下流への影響などさまざまな課題の検証が求められ、関係する多くの方の理解が必要。地元での説明会はその第一歩」と話した。
 県の射撃場計画は湯浅町でもあったが、用地確保や地元合意が得られず平成22年に断念。現在候補に名乗りを上げているのは印南原のみ。