県の新事業「大学のふるさと」制度第2弾に、由良町と摂南大学(寝屋川市、今井光規学長)が決まった。同制度は県内の過疎地域の住民と、地域貢献活動に関心の高い大学とが協働で地域課題の解決に向け、継続的に交流する取り組み。日高地方からの事業参加は初めてとなり、由良町と摂南大は「地域間・世代間交流」と「薬草や特産品による産業振興」をテーマに協働活動を行う。8日午後3時から県庁で仁坂吉伸知事立ち会いの下、畑中雅央町長、今井学長が協定書に調印する。
 「大学のふるさと」制度は、県が人口減少や少子高齢化の進行で地域活力が低下している過疎地域と、人材育成のための実践教育や地域貢献活動への関心が高い大学をマッチングし、地域課題の解決に向けた活動を継続しながらまちの活性化につなげることを目的とした新事業。県は昨年度、県内の市町村に地域の課題を聞き取り調査。関西の大学に意向を問い合わせたところ、いくつかの大学が興味を示し、先月1日には第1弾として湯浅町と羽衣国際大学(堺市)が協定書に調印した。両者は、特産のしょうゆや金山寺みその魅力を共同発信するなどの取り組みを行う。
 由良町総務政策課によると、「地域間・世代間交流」では健康づくりサポート(高齢者宅への訪問調査)、町民向け講座の開催(健康・防災・サイエンス等)、事前災害復興計画等各種調査研究フィールド活用が計画されており、具体的な内容については今後煮詰めていく。「薬草や特産品による産業振興」では薬草の産地化促進(栽培への指導助言)、地域特産品の商品化に向けた研究、開発(かんきつ類、魚類、発酵食品等の活用)に取り組み、町担当課だけでなく、薬草栽培を通じて地域活性化を図ろうと町内の農家らで立ち上げているNPO由良わくわく塾、町内の主婦らでつくる特産品開発、町PRグループゆらつくらん会なども一緒になって取り組みを進めていく方針。わくわく塾、つくらん会は11日から13日まで開催される摂南大学園祭に参加。まずはミカンやワカメ入りカステラなどを出品することが決まっている。
 摂南大は7学部13学科に8010人(平成26年5月1日現在)の在学者がおり、由良町との協働活動には理工学部、薬学部、看護学部などの学生が参加する見通し。専門的な知識を有する、意欲のある若い人たちに地域活性化へ一役買ってもらう。今月下旬から本格的に事業がスタートし、学生が由良町を訪れる。
 同制度は3年間をめどに行い、更新することもできる。第2弾では、由良町とともに摂南大とすさみ町の取り組み「地域間・世代間交流」「防災・まちづくり」も協定書の調印が行われる。