印南町は将来発生すると予測されている大地震・津波対策として、印南地内の上野山に一時的に避難できる避難センターを建設する。5日に発表した一般補正予算に設計費600万円を計上。着工・完成は来年度を予定しており、昨年度完成した上野山への避難階段と合わせて、浜、地方(あげ)地内の住民の避難体制の確立を目指す。
 場所は上野山にある町有地「上野山農村公園」で、現在は公園としてほとんど使われていない場所。海抜は想定されている津波高15㍍よりほぼ倍の高さの27㍍で、敷地面積は829平方㍍。建設予定のセンターは鉄骨2階建てで、トイレ、炊事場のほか複数の和室部屋を用意。非常食糧や飲料水を備蓄する倉庫を備えるほか、発電機など防災備品も用意する。
 対象となる避難民は浜、地方などの住民や印南小学校児童など約1000人。センターの収容規模は未定だが、用途としてはあくまで一時避難所とし、波が引き安全が確保されたあとは公民館など指定されている各避難施設への移動をイメージしている。上野山への避難についてはことし1月に、印南小学校の西側に長さ約50㍍の階段を設置。これによりスムーズに高台へ避難できるようになり、センターが完成することで避難直後の生活を確保できるようになる。町では「避難直後の食料確保や雨風をしのげる場所として活用できれば」と話している。
 本年度は設計を行い、来年度の着工、完成を目指す。総事業費は約7000万円を見込んでいる。
 1億8000万円追加 印南町は10日から開会する9月議会に議案13件、認定9件、報告1件を提出する。一般補正予算は1億7910万4000円の追加で、歳出は避難センター設計委託料のほか、本郷地内の町道本郷中通線から町道印南~西ノ地線をつなぐ避難道路約150㍍の設計に300万円、上道改良住宅建替第3期建築工事の設計に1400万円などがある。工事請負契約は上道改良住宅建替第2期建築工事(契約金額7466万400円・契約相手=㈱千代徳組)、古井配水池施設整備工事(1億149万8400円・㈱第一テック印南支店)の2件となっている。