みなべ町埴田の障害者就労支援施設なかよし作業所は、昨年から試験的に生産・販売していたトマトジュースを夏から本格販売する。これまで手作業で生産してきたが、6月下旬にも瓶詰めにする充填(じゅうてん)機を導入することが決まり、ニーズに応える態勢も万全。糖度の高いミニトマトを使った100%のトマトジュースで、体にいいのはもちろん「甘くて飲みやすい」と好評を得ており、人気商品になることが期待されている。
 同作業所は3年前、南部中学校正門近くに加工場を新設。みなべや印南町、御坊市名田町の農家からミニトマトを仕入れ、ケチャップやピューレ、ジャムなどに加工して販売してきた。ジュースはもともとケチャップの消費宣伝で「このトマトを原料に使っています」とPRするために作ったが、消費者から「このままでもおいしい」との意見が多かったことから、昨年試作品として製造。原材料はミニトマトと0・1%程度の塩だけで、トマトのおいしさが濃厚に凝縮されている。1瓶180㌘入りで、商品名は「こい味」。
 顧客に注文を受けて月に20~30本作る程度だったが、「甘くて、トマトジュースが嫌いな人でも飲める」「後味がさっぱりしている」など少しずつ人気が高まってきた。ただ瓶詰めなどの作業に手間がかかることから、読売光と愛の事業団の助成事業「生き生きチャレンジ」に申請。80万円の助成を受けられることが決まり、トマトジュース用の充填機を購入することにした。6月下旬にも設置できる見通しで、7月ごろから販売をスタートする。手作業に比べ作業効率は3倍ほどアップできるという。すでに産品販売所などから「トマトジュースを置いてほしい」との依頼も受けている。同作業所では「トマトの栄養、おいしさがそのまま入っています。冷やして飲むとすごくおいしいです。売り上げが増えれば作業所で働く人の収入アップにもつながるので、人気商品になってほしい」と期待を込めて話している。