東京の両国国技館で行われている大相撲夏場所が熱くなっている。6日目の去る16日、満員御礼の垂れ幕が下がった。15番行われる大相撲の前半戦(一般的に2日目から6日目まで)の平日に国技館で大入りになるのは、なんと17年ぶりだったという。その17年前とは、曙が貴乃花を決定戦で下して優勝した夏場所だそうだ。若貴ブームといわれたように、日本人のスター力士が相撲人気を支えていた。最近は外国人力士に押されて人気も下火となっていたが、遠藤という23歳の若きホープの存在が相撲人気を再び盛り上げようとしている。今場所の4日目には横綱の鶴龍を破って金星を挙げた。やはりスター選手がいるかどうかでそのスポーツの人気が左右されるいい例だろう。
 スター選手といえば、サッカー日本代表 23人が先日発表された。4年に一度のサッカーの祭典、ワールドカップ開幕まで3週間を切った。半数以上の12人が海外でプレーしている選手というのも、過去最強のスター軍団といわれるゆえんだ。予選グループで戦うコロンビア、ギリシャ、コートジボワールの3チームはいずれも日本よりもFIFAランキングは上位。簡単に勝たせてくれる相手ではないが、相撲界の遠藤のように格上を倒してくれると、多くの国民が楽しみにしている。
 少子化に歯止めがかからないいま、子どものスポーツ競技人口は減る一方だ。日高地方でも傾向は顕著で、サッカーは10年ほど前からあまり減っていないが、他の競技ではチーム数は減る一方で、相撲はとくに寂しい状況だ。サッカーワールドカップや相撲界の盛り上がりが、子どもたちにスポーツの魅力を発信してくれると期待している。(片)