和歌山市の県民文化会館などで6月11日から3日間、第26回肝胆膵外科学会・学術集会が開催されるにあたり、同14日午後1時半から県立医科大講堂で市民向けの公開講座が開催されることが決まった。同学会・学術集会とすい臓がん患者支援のNPO法人が主催。「すい臓がんに光をあてる」をテーマに、話題の重粒子線治療や和医大で実施しているがんペプチドワクチン療法などについて専門家が講演する。
 肝胆膵外科学会・学術集会は11日から13日まで、県民文化会館とホテルアバローム紀の国で開催。和歌山県で初めてとなる今回は、学会会員の外科医や研究者ら2000人以上が参加を予定しており、華岡青洲の医学塾、春林軒の医学哲学にちなみ、「活物窮理」をテーマにセミナーやワークショップ、シンポジウムが行われる。
 14日に開かれる市民公開講座は、学会・学術集会とアメリカに本部を置くすい臓がん患者支援のNPO法人パンキャンの日本支部(パンキャンジャパン)が共催。「すい臓がんに光をあてる~標準治療の最前線からペプチドワクチンまで~」をテーマとし、第1部の基調講演では和歌山県立医科大の廣野誠子外科学第二講座助教、関西医科大の柳本泰明外科学講座講師、九州国際重粒子線がん治療センターの篠藤誠氏、和歌山県立医科大外科学第二講座の宮澤基樹学内助教がそれぞれ、外科治療、化学療法、重粒子線治療、がんペプチドワクチン療法について講演する。また、パンキャンジャパンの眞島喜幸理事長がパープルリボン活動等、市民のためのがんペプチドワクチンの会の會田昭一郎代表が和医大が同会の支援を受けて取り組む臨床試験等について語る。
 パンキャンジャパンの眞島理事長は「すい臓がんはことし、診療ガイドラインが変わり、外科治療法もさまざまな試みのうえに、治療成績も上がってきている。私たちの活動は患者と専門医の橋渡しも大きな目的で、最新の治療法はどういったものがあるのか、地元の専門医はどこの病院にいるのかといったことを、和歌山の皆さまに発信したい」と話している。