本日付の11面でも紹介しているが、御坊市が市民の標準化死亡比を算定した。補足説明すると、心疾患や各種がんなど、御坊市でどんな死因が全国平均に比べ高いのかが分かり、そういった死因につながらないよう、市民が健康意識を高めて生活改善し、リスクを下げてもらうのが目的である。
 ただ、数値が高い死因について、なぜ高くなるのかの分析は、まだまだこれからの課題。例えば男性で肝臓がんが全国平均に比べ高い結果が出ている。肝臓の病気と言えば原因は飲酒や過食、運動不足、ストレス。つまりこういった問題を抱えた人が多いから御坊での肝臓がんの死亡割合が高くなるわけだが、どの原因に当てはまる人が多い傾向にあるのか、そこまで分からない。
 あと、今回の分析で気になったのが、女性のすい臓がんでの死亡割合。平成11年から16年までの間だけが最大で全国平均の2倍を超えるなど、極端に数値が高くなっている。その前後数年はわずかに全国平均を上回るか、逆に下回る年もある。どうして一定の期間だけ数値が高くなったのか不思議である。すい臓がんの原因については、はっきりしていない面もあるが、リスクになると考えられているのは喫煙、コーヒー、糖分の多い炭酸飲料、飲酒、肉・脂肪分の摂取過多、ストレス、他の疾病に伴う影響など。たまたまこれらの原因ですい臓がんになった女性が多かったのか、それとも当時の女性に影響を与えるような何か別の要因があったのだろうか...。
 いずれにしても死因の特性が把握できた意義は大きい。今後はさらに詳細な分析も進め、一層市民の健康増進に役立つことを願っているが、当然、一番大切なのは、市民意識の向上である。  (吉)