田辺市龍神村、地域活性化に取り組む有志の「村の爺婆の会」(辻達行代表)が昨年10月に柳瀬でオープンした産品直売所が、地元だけでなく県外の観光客からも人気を呼んでいる。特に好評なのは村内特産のサトイモを使ったご当地料理で、なかでも「里芋コロッケ」はオープンから半年たっても好調な売れ行き。ほかにも里芋プリン、里芋シフォンケーキなどアイデア料理が店の運営を支えている。
 村の爺婆の会は、地元のお年寄りの生きがいづくりや地域を盛り上げる目的で、4年ほど前に結成。平均年齢約80歳、59歳から90歳まで15人ほどで産品販売所を運営している。当初はテント販売だったが、県の補助を受けて柳瀬の国道424号沿いに直売所を設置。昨年10月13日にオープンした。毎週土・日・月曜の3日間開店し、好評を得ている。
 メンバーが家庭菜園で作った新鮮野菜やおいしい龍神の米のほか、アイデアを凝らした加工品が好評だ。特にサトイモは、「龍神村といえばサトイモ」といわれるほどの名物で、寒暖の差が大きい気候のため甘みが出るのが特長。この特産品を生かした品は、「ここでしか食べられない商品」として人気を集めている。
 ジャガイモの代わりにサトイモを練りこんだ「里芋コロッケ」(2個入り200円)はオープン当初、テレビで取り上げられたこともあっていまでも一番人気。50パックが午前中に売り切れてしまうこともしょっちゅうで、「最近になってようやく購入できた」と喜ぶ客もいたという。辻代表らメンバーの手作りで、2日にはゴールデンウイークの特別営業(3~6日)を前に、仕込みや調理に追われていた。里芋シフォンケーキや里芋プリンも好評で、いずれもリピーターの多い売れ筋商品。4月からは里芋以外の新商品として、村内で取れたイノシシとシカの肉を使ったシシコロッケ、シカコロッケ(いずれも2個入り260円)を販売。これらの肉のミンチをハンバーグにして使ったシシ肉バーガー、シカ肉バーガー(いずれも300円)も発売中。「ジビエ食品の方の売れ行きはぼちぼちですが、これから徐々に浸透させていきたい」と張り切っている。
 辻さんは「これからゴールデンウイーク、夏場の行楽シーズン、またアユ釣りの季節で行楽客が増えるので、営業日を金・土・日曜に変更し、ここでしか食べられない味があることを多くの人に少しずつでも知ってもらえれば」と笑顔で話していた。