最近、国の固定買取制度の影響があってか、屋根に太陽光発電パネルを設置する家が多く見られるようになってきた。家庭だけでなく企業や法人が工場の屋根や空き地、山の斜面を利用した発電事業にも取り組んでいる。印南町では大学を中心としたメガソーラーも始まっている。今後さらに技術が進化してパネルの発電効率が上がり、さらに蓄電池の容量が増え数日分の電力を蓄えるようになれば、各家庭で電力を自給自足できる日が来るかもしれない。また天然ガスや石油など化石燃料による発電が大半を占める中、国際社会に影響されず国内で発電できる太陽光発電には今後大きく期待したい。ただ現状の発電量の構成は平成24年度で天然ガス、石炭、石油が約8割で、太陽光などの再生可能エネルギーは1割程度。その中でも水力が大半で、その他は1・6%しかないという。
 先日、和高専・次世代テクノサロンで経済産業省職員の荒井次郎さんから「再生可能エネルギーを巡る情勢」で聴いた。興味深かったのは地熱発電。日本はアメリカ、インドネシアに次ぐ世界第3位の地熱資源量を保有しており、発電用タービンも国内メーカーが世界シェアの7割を占める。にもかかわらずほとんど整備が進んでいないという。原因は資源がある場所のほとんどが自然公園に指定されていたり初期コストが高いなどだ。国では来年度から地熱発電の普及へ導入を目指す自治体や企業を支援する方針を出している。
 地熱のほか洋上での風力発電も紹介された。太陽光、地熱、洋上風力と今後さらなる技術革新を進め、国内資源で電力が自給自足できる日が来ることを期待したい。        (城)