街宣カーから有権者に手を振ってアピールする山本氏と三浦氏

 現職の三浦源吾氏(64)と、新人の山本譲一氏(62)が一騎打ちの戦いを展開している御坊市長選は、早くも中盤入り。1期目が無投票だった三浦氏はこれまでの市政運営に対する信任を仰ぐ選挙、山本氏にとっては現体制を打破し、公共工事の見直しなどの訴えがどこまで浸透するのか。両陣営とも街宣カーでの巡回をメインに、一日数カ所で街頭演説を行い、支持を訴えている。

 今回の市長選では両陣営が防災対策や子育て支援、高齢者福祉などを訴えているが、大きな争点になっておらず、有権者のムードは低調。投票率の低下が心配されている。

 三浦陣営は各種団体から20日現在、57件の推薦状が出され、地元選出国会議員や市議らの支援も受けて盤石の組織体制。街頭演説は20日から25日まで市内16カ所を予定しており、21日のJA野口支所前には支持者ら約50人が参集し、保守系市議も応援に駆け付けた。三浦氏は一人ひとりと握手し、「今回は選挙を通じて有権者の声を聞けるのがうれしく思います。皆さまとともに笑顔あふれるまちづくりを進めたい」と話した。最終日の25日は本町・中町商店街を歩く。

 山本陣営は連日、オークワロマンシティ前やJR御坊駅前など人が多く集まる場所で街頭演説。20日に名田を歩いた時には家から出てきて激励する有権者もおり、陣営では「少しでも私たちの訴えが市民に届けば」と一票一票の掘り起こし、無関心層への浸透に力を注ぐ。21日の小松原南交差点付近での街頭演説では、市庁舎建設入札の業者の選定方法に疑問を呈し、「こんな腐敗した行政を市民の皆さんの力で止めませんか。どうか私に市民のための行政をさせてください」と訴えた。

 近年の市長選をみると、12年5月は当時現職の柏木征夫氏が8558票を獲得、3070票の新人山本(現天倉)勝也氏を破った。16年5月は保守分裂選挙となり、現職柏木氏が9375票、二階俊樹氏が5886票。11年4月の県議選御坊市選挙区では自民党現職中村裕一氏が8168票、民主党新人の斎藤麻希氏が3041票。