御坊市塩屋町森岡地区産業廃棄物処分場建設計画で、市は大栄環境㈱と締結する環境保全協定の内容を確定した。これまで議会や中止を求める塩屋の会からの意見、指摘を受けて修正を行っており、担当課は「住民の安全、安心へ最大限配慮した」と話している。早ければ10月中に協定を締結。森岡地区の施設誘致表明から6年を経て、いよいよ建設工事がスタートする。
 環境協定案については市が先月19日、議会最終日の全員協議会で公表。住民の不安解消へ焦点となっていた「遮水シート漏水の掘り起こし」や「抜き打ち調査」も明記しており、議員からは「踏み込んだ内容」と評価する声もあった半面、一部には修正要望もあった。さらに塩屋の会メンバーは今月1日に修正提案を行った。
 市はこれらの意見を参考にして内容を見直して確定。塩屋の会の「地域住民という表現では森岡地区だけに限定されてしまう。施設周辺及び施設下流域住民に修正すべき」との要望については、「施設周辺及び施設下流域住民にしておくと、万が一何か公害が出た場合に、それ以外の地域への対応ができなくなる。地域住民は森岡地区を限定するものではない」として取り入れなかった。ただ、担当課としては「他の産廃施設の事例と比べても、かなり業者に対して厳しい内容の協定になっている。もう内容を変更することはない」と説明している。3日には、協定の最終確定内容を議会に報告しており、10月中にも大栄環境との協定締結が済めば、大栄環境側が11月にも建設工事に着手。完成は着工から1年半後となる。
 また、市は先月13日の議会総務文教常任委員会で楠本文郎議員から要望があった産廃建設予定地近くにある市立給食センター周辺2カ所での大気質調査も実施する方針を固めた。すでに行っている粉じん調査に追加して調べる格好。予算は早ければ12月議会で補正計上。操業前と操業後1、2年先の2回行う。調査対象となるのはアスベスト類や硫化水素ガス、メタンガス、ダイオキシン類、放射線量、重金属類(カドミウム、鉛等)。