定数12に対して現職10人、新人3人の合計13人がし烈なサバイバルレースを繰り広げている印南町議選の舌戦も、いよいよきょう3日限り。安全圏入りしたとみられるのは現新9人で、上位争いは現新3人となりそうな気配。一方、残る現職4人は当落ライン上で大混戦の様相。各候補は最後のお願いにスキンシップ作戦を展開しているが、安全圏とみられる450票に届いたのか、地区別に最終の戦況を分析してみた。(文中敬称略、順不同)
 【印南地区】2220票がある町内一の大票田には現職2人、新人1人の合計3人が出馬。前回の落選票約750票の大半も眠っているとみられ、今回最大の草刈り場にもなっており、各陣営が争奪戦を繰り広げている。前回407票で11番目だった浜の堀口は、候補者が減り上乗せが必要になったうえに同じ浜に新人が出馬して苦戦。危機感を前面に出した必死のお願いでどれだけ票を取り込めたかが鍵。浜の新人中島は、地元印南をはじめ親戚のいる真妻、また長年の少年野球監督のつながりで着実に得票。前評判がよすぎたため上滑り感は出ているものの、上位入りか。地方(あげ)の藤薮は前回6番目の478票だったが、今回は地元の印南地区、出身の稲原地区で新人が出ているほか住所を地盤の津井から移しているなど不安材料が多く、厳しい戦い。印南の票をどれだけ取り込めたかが勝敗を決める。
 【切目地区】1730の票田に現職3人が出馬。村上は地元島田が800票の大票田だったことから前回トップ候補とも言われたが、流出が激しく5番目の479票に。今回は区推薦がなくなったが流出防止へ団結力は強く、前回以上を狙っている。前回708票でトップ当選を飾った元村の玉置は、上滑りを警戒し、序盤からこまめな運動を展開。印南で新人の影響を受け、前回票には届かないものの上位は狙えそう。上道の現職共産党の榎本は、前回10番目の409票だったが今回の当落ラインぎりぎりで危機感を持って運動。組織票に加えて地元票を取り込み安全圏に届いたか。
 【稲原地区】1790票と印南地区に次ぐ大票田に現職2人、新人1人が出馬。山口の岡本は前回505票で4位。今回も地元は固めつつあるものの、隣の印南地区の新人の影響を受ける。落選票を取り込み前回票をキープできるか。印南原の新人野村は前回646票で2位だった廣野氏の後継。出遅れたものの強い組織力で地元をまとめ、町職員時代のつながりを生かして上位入りの可能性も。印南原の井上は前回9番目の413票。今回のボーダーぎりぎりのうえ、新人の登場で前回票キープも不安。地元での早くからの運動がどれだけ票につながるかが当落ラインの境目。
 【切目川地区】1092票の中に現職3人がひしめく。宮ノ前の西山は前回454票で8位。前回同様地元では町長選のしこりもあり苦戦を強いられているが、産品所などの人脈を駆使して前回票をキープできたか。羽六の杉谷は前回7番目で469票を獲得。新人の登場で印南票に影響を受けており、前回票キープは難しい。なんとか当落ラインは超えたか。古井のベテラン藤本は前回373票でぎりぎりの最下位当選。今回も票が増える要因は少なく苦戦を強いられているが、実績を武器に当落ライン際でベテランの意地を見せるか。
 【真妻地区】617票に新人1人。上洞の前田は前回629票の3位当選を果たした日裏氏の後継。他陣営の切り崩しを受けつつも消防団、スポーツ関係のつながりを駆使して安全圏入りか。