箕島が古豪復活を告げる29年ぶりの優勝を果たした第95回全国高校野球選手権記念和歌山大会。現在、紙面では地元球児たちの活躍をレンズで追う特集号を順次掲載中だが、例年以上に写真のデータ整理、編集作業に追われている。数えてみると、取材したのは全38試合中16試合にもなり、この数字だけをみても今夏の地元勢の活躍が分かる。
 最後の夏にかける3年生も随所に素晴らしいプレーを見せてくれたのだが、全体的に目立ったのは1、2年生だった。準優勝の南部はベンチ入り20人のうち16人が3年生で臨んだが、2年生左腕が先発、同じく2年生右腕がリリーフで見事な投球を披露し、チームの銀メダルに大きく貢献した。ベスト4の日高中津は1年生2人がレギュラー。主砲の2年生、下位打線で打ちまくった2年生とともに打撃が光った。初の8強入りの南部龍神では初戦に1年生が決勝打。チームを勢いづかせた。紀央館は先発メンバーに1、2年生を6、7人並べ、1年生バッテリー、サヨナラ打を放った2年生らが印象的。日高では初の紀三井寺にも臆せず投げた2年生投手、豪快な一発を放ったクリーンアップの2年生が目立ち、初戦で敗れた和高専も2年生が本塁打をマークするなどで球場を大いにわかせた。
 智弁和歌山の連覇が8でストップし、ここ数年の〝1強〟ムードが少しは薄らいだような気がする。夏の甲子園もまだ始まってはいないが、今月下旬からは新チームによる来春のセンバツを目指した戦いがスタートする。今夏、紀三井寺で見せてくれたような1、2年生の活躍があれば、甲子園出場も夢ではないと大きな期待を持って次のシーズンを楽しみにしている。 (賀)