「泣くのは1人」でし烈な戦いを展開している印南町議選は、早くも中盤入り。町内一の大票田で、前回の落選票約750票の多くが眠っているとみられている印南地区は、今回も激戦地。地縁、血縁を頼りに多くの候補者が集中攻撃をかけ、街宣車のニアミスも続発。戦況は、上位3人はすでに安全圏に届いたとみられるが、残る10人は依然混戦を繰り広げている。
 今回の選挙は新人が3人いるものの、うち2人が後継者となっているため、4年前の前回とほぼ同じ構図。ただ前回より候補者が2人減っている分、当選ラインも上がることが予想されている。そのため下位グループは前回票では当選が危ぶまれる可能性があり、上乗せが必要。今回安全圏とみられている450票を目標に、過酷な戦いを強いられている。
 大激戦の主戦場となるのは今回も有権者数2220人の大票田印南地区。前回、地元候補者が獲得できたのは半数程度で、ほとんどが他地区の候補者に流れるなど草刈り場となっているほか、前回の落選票合計748票の大半も印南地区からと見られており、上乗せを狙う候補者が集中攻撃を仕掛けている。ただ今回は印南地区で久しぶりの新人が出馬しており、地元候補者はもちろん印南地区での一定の得票を当てにしていた多くの候補者が危機感。初日から重点的に回る候補者もおり、街宣カーから飛び出してスキンシップを図ったり、街頭演説を行うなどで猛烈にアピールしている。印南地区以外の地域は前回とまったく同じ構図だが、6人いる1期目の候補者が「2期目のジンクス」により票が流れる可能性があり、周辺の候補者と攻防戦を繰り広げている。
 中盤までの戦況をみると、地盤の大きさや地元の結束力などで現新3人が先頭集団。少し離れて現新10人が中・下位を形成。中でも実績や経験、組織力、知名度、落選票の取り込みで若干有利な状況とみられるのが5人。残る5人は地盤の小ささや新人の影響などで苦戦を強いられており、なんとかボーダーラインの450票を突破できるようあらゆる策を練っている。