地震や風水害などの大規模災害に備え、県は土木技術等の専門的知識を持つ人を登録し、県内の市町村に紹介する「わかやま技術支援人材バンク」制度をスタートさせた。おととしの東日本大震災、県内にも大きな被害が出た台風12号豪雨を教訓に、建設会社や自治体等の退職技術者の人材情報を登録、管理。災害時だけでなく平常時の技術支援にも対応し、市町村の紹介申請を受けてマッチングを行う。
 技術支援人材バンクに登録できるのは、地方公共団体等の建設関係技術職OBや用地補償業務経験のある退職者、建設企業の技術系OBら。災害復旧事業や土木事業の現地調査、技術指導、設計・積算、工事現場監理、工事検査などの支援を目的に、県が人材を募集、情報登録し、災害で被災した市町村の申請を受けて、ニーズに合いそうな人材を紹介する。
 人材バンクのマッチングで話がまとまれば、登録技術者は市町村と個別に雇用契約を結ぶ。対象となる業務は災害復旧に限らず、平常時の土木、建築関係の業務も要請があれば対応する。仁坂吉伸知事は「台風12号豪雨で大きな被害を受けたまちは、土木関係の技術を持つ職員の不足が大きな問題となった。もちろん、県自身も同様で、多くの職員を派遣できず、他県からの応援を求めた。また、東日本大震災では逆に、和歌山県から岩手県などに多くの職員を派遣した。これらの経験をもとに、今後、いざというときにスムーズに技術者を派遣できるよう、バンクを設置することにした」と話している。
 人材の登録、問い合わせは県庁検査・技術支援課℡073―441―3260。