日高地方でも観光振興がいわれ、さまざまな方法で誘客を図っている。都心部で各名所の観光パンフレットを配布したり、全国的なイベントで物産展を行ったり。また、旅行会社のツアー企画に地元名所を組み込んでもらったり、逆に地元バス会社が他府県から客を連れてくる着地型観光を推進するのもそう。大型客船の誘致で一気に観光客を呼び込む方法もある。特に本県では高野・熊野の世界遺産登録が観光客誘致に大きく役立っている。
 そんな中、きょうの紙面でも紹介しているが、趣味を通じて観光に来てもらうというのは、面白いと思った。御坊市などで開かれたワンピースクラブのオフ会のことである。ただ、単に仲間同士が集まって楽しんでいるだけではなく、バー中(ATARU)のオーナー中村さんには「御坊に人を呼び込むことで地域活性化を図ることができれば」という思いがある。
 筆者もそのバーにお邪魔したことがあるが、ワンピースグッズの多さは相当なもの。オーナーから数や価格についてふせるように言われているので書き表せないのが残念だ。御坊にワンピースとのゆかりはないかもしれないが、ワンピースファンにとっては一見の価値ありという店。だから今回のオフ会は関東や九州方面の会員もわざわざ足を運んでいる。あまり言うと店の宣伝になってしまいそうだが、全国にはまだまだたくさんのワンピースファンがいる。御坊で第2回、第3回のオフ会が開かれることを期待する。
 何にしても民間レベルで誘客を図り、地域活性化に一役買おうという人がいるのは、頼もしい限り。趣味も極めれば観光につながるのだと思った。    (吉)