性暴力の被害に悩む女性らを救うため、県は16日、和歌山市紀三井寺の県立医科大附属病院内に性暴力救援センター(通称・わかやまmine)を開設する。相談専用電話で被害者とつながり、臨床心理士らによる心理面の支援のほか、医療機関や警察、弁護士会などとも連携。昨年11月、仁坂吉伸知事が和歌山弁護士会からの提案を受け、本年度の新政策事業として開設準備を進めていた。
 性暴力とは、レイプや痴漢、盗撮、露出、のぞきなど、自分が望まない性的行為を指し、直接的な脅迫だけでなく立場を利用した売春や援助交際の強要なども性暴力の犯罪行為にあたる。これらの被害を受け、警察や家族、友人にも相談できずに悩んでいる人を救うため、心のケアによる心身の負担軽減、健康回復を図り、警察への通報サポートなどで被害の潜在化を防ぐことを目的としている。
 救援センターは県男女共同参画センター"りぃぶる"が運営。女性の相談員が常駐し、本人の希望を踏まえ必要な支援をコーディネートする。緊急避妊や性感染症検査など必要な医療は公費で負担し、臨床心理士会や子ども・女性・障害者相談センター、精神保健福祉センターなどと連携して、心理面のカウンセリング、DVや虐待の相談、精神疾患の相談等に対応。事件性が強い場合は刑事手続きを進めるために警察官の来所を求め、弁護士会も民事手続き等を支援する。
 相談電話番号は073―444―0099。受付時間は平日の午前9時から午後5時(土日は4時半)まで。 仁坂知事は「センター通称の『マイン』は『私の体は私のもの』という意味で、自尊心を持って心身の回復を図っていただきたいという思いを込めて名づけた。センターには性暴力被害の相談に慣れた女性の相談員が常駐し、必要や希望に応じて医療、捜査、心理面などの支援を継続していく」と話している。