第95回全国高校野球選手権記念和歌山大会はいよいよ12日に開幕する。本紙では先月26日から今月4日にかけて地元5校の戦力を特集号で紹介。紙面を見ると各校とも楽しみな仕上がりとなっており、地元勢31年ぶりのVへ胸がわくわくする。
 昨秋は県新人戦で南部がベスト4。秋季県予選では日高中津のベスト8が最高成績。センバツ出場校を選ぶ際の重要な参考資料となる近畿地区大会進出はならなかった。一冬越えての地元勢は日高中津、紀央館、日高に楽しみな1年生が加入。中学時代から全国大会などで活躍している選手がおり、早速スタメン出場する選手もいるようだ。1年生がレギュラー争いに加わるということは、上級生たちもうかうかしていられない。チームが活性化、一気に実力を伸ばすことにもつながり、昨秋は超えられなかった壁を突破してくれる可能性が高まる。南部は春季県予選でも4強入りし、シードの貫禄を見せたいところ。和高専は昨年の夏、最後まであきらめない素晴らしい戦いを披露しており、先輩たちに続いてほしい。
 今大会一番の注目はやはり9連覇を狙う智弁和歌山だが、箕島、近大新宮、和歌山商なども力があり、目が離せない試合ばかりだ。高校野球は甲子園が最大の目標であることに間違いはないだろうが、それだけではない。3年生なら2年3カ月余り、多くの支えがあってプレーしてこれたことをあらためて胸に刻み、周囲の人の分まで悔いが残らないように力を出し尽くしてもらいたい。1年生なら試合に出場できない先輩たちの分まで夏の紀三井寺を盛り上げてほしい。試合に敗れても、感動を呼ぶプレーが数多く見られることを期待している。  (賀)