乗り物が大好きで、いつも自動車や電車のおもちゃで遊んでいる2歳半のおいが、昆虫にも興味を持ち出した。セミやトンボなど昆虫なら何でも興味津々のようだが、やはりカブトムシやクワガタはたまらないらしい。小さいころの筆者もまったく同じで、カブトムシやクワガタが大好きだった。夏が来れば連日、昆虫取り。実家がある美浜町や祖父母がいた日高川町の山を祖母や父母と一緒にめぐり、日高川町で取ったノコギリクワガタは美浜町にはなかったようでクラスメートにうらやましがられたものだ。一方で、図鑑を開くと、この世のものかと思うくらいかっこいい外国の昆虫がずらり。強い憧れを抱いていた。筆者の時代は手に入れるなんて夢物語のようだったが、いまは簡単に手に入る。
 問題になっている外来生物。池で元来日本にはいない生物が発見、ペットが捨てられたのではないか、なんてニュースを時折目にする。人間活動によって持ち込まれたものであるが、持ち込んだ先の環境が合わずに生息できない生物がある一方、新しい環境に適応し、在来の生物に悪影響を及ぼしている生物も。外来生物が繁殖を遂げ、その代償として日本特有の生物が減少、生態系が崩れる。
 子どもたちが憧れる外国産カブトムシやクワガタも、繁殖力が強いため、野放しにすると、日本在来種に悪影響を及ぼすという。日高川町カブトムシの森の室敦之さんは「飼うことができないからと言って、絶対に森や山に捨てたりしないでほしい」と訴える。かわいい子や孫に外国産カブトムシをせがまれたらつい買ってしまいたくなる気持ちも分かるが、買い与える際は、小さい子どもを当てにせず、自分が最後まで面倒見る覚悟で。   (昌)