何ごとにおいても疑い出せばきりがない。事にもよるが、信じることが第一前提。信じるにしても、疑う余地がなければ、その思いは一層強いものになる。事を裏から見ることも、うがった考えをすることも少なくなる。疑いの要因があるなら、疑う余地をなくす手立てを講じ、要因を取り除くしか術はない。
 日高川町の有害鳥獣捕獲報奨金をめぐる問題。町が、交付要綱を守らなかった捕獲者にも報奨金を交付したが、平成24年度で、ことの発端となった日付なし写真が645枚。産業建設常任委員会などの調べで、転用したと思われる写真4枚、捕獲方法に疑問がある申請書十数件も見つかっている。町では、イノシシ・シカの場合の捕獲の確認方法として、しっぽと写真の提出を義務付けている。
 捕獲方法に疑問がある申請書は、ワナで取ったのに報奨金が高い銃器で申請したなどの疑念だという。転用については、しっぽが提出されており、疑う余地はない。ただ、もしも転用が事実なら、捕獲者の写真の提出ミスか、それともヤマタオロチのようにイノシシにしっぽがいくつもあるのか、また、他にしっぽが存在しているとでもいうのか。議会定例会の一般質問で、議員が銃器とそれ以外の捕獲方法による報奨金額の違いからこの問題が出てきたとただした。これに対し、市木久雄町長は報奨金の差額について「本町だけの問題ではなく、近隣市町との調整が必要で広域的な視野の中で検討していくべきことだが、単価の差が疑念要因の一つなら、捕獲方法による報奨金の単価の統一も検討していきたい」と答弁した。疑念の要因を取り除くには報奨額を統一し、近隣市町も同額にするというこの方法が最善の策と考えるが。     (昌)