ミャンマーの最大野党・国民民主連盟を率いるアウンサンスーチーさんが27年ぶりに来日し、 1週間にわたって日本で過ごした。 東京大学で行った講演では日本の若者が選挙に関心が低いことを指摘。 「私の国 (ミャンマー) では、 若者はまだ民主主義を理解できていない。 皆さんが自由で公正な選挙に参加できることは喜ぶべきことです」 と訴えた。
 ミャンマーは2010年に20年ぶりの総選挙が実施され、 注目された。 前回 (1990年) の総選挙で、 スーチーさん率いる国民民主連盟が民主化を掲げて大勝したが、 軍事政権からの政権委譲は実現せず、 2010年の選挙でも民主派への締め付けが厳しかったという。いまなお軍事政権の力は強く、選挙が行われているといえ、民主化への道は遠いようだ。
 先日、田辺市では首長と市議のダブル選挙が執行された。市議は定数22に28氏が出馬する激戦。一方、 市長選は早くから立候補を表明していた現職に対し、 新人候補は告示直前に 「無投票を阻止する」 として立候補を表明。 選挙運動もしなかったという。 有権者の関心は少なく、 投票率は前回の71.03%より5.27ポイント低い65.76%。 住民からは 「ただ単に立候補するのではなく、 当選するしないに関わらず、 選挙を通じて一石を投じるような問題点を投げかけるべきだった」 という意見が上がる半面、 「形はどうであれ、 投票することで現職の批判を数字で把握できた」 という声も。 いずれにしても盛り上がりに欠けたのは確かだが、 日本の地方で行われている低調な選挙がスーチーさんにはどう映るのか。(雄)