御坊保健所は、 管内の一般住民1300人を対象に行った終末期医療に関する意識調査の結果を発表した。 これによると7割以上が終末期医療に関心を持っており、 全体の約9割が自身の延命治療を望んでいないことが分かった。 リビング・ウィル (生前の意思表示) への意識も高く、 約8割が必要と答えている。 保健所では結果をもとにリビング・ウィルの啓発や在宅医療態勢を充実させる対策を検討していく。
 終末期に対してどのような考えを持っているかを把握し、今後の医療や介護の態勢づくりに役立てていこうと初めてアンケート調査を行った。対象は管内1市5町の40~79歳の住民1300人を無作為に抽出し、ことし1月に実施。927人から回答があり、回答率は71・3%だった。
 終末期医療について関心があるかの問いには、「非常に」と「少し」を合わせると75%以上が「ある」と答え、高い関心を持っていることを表している。自身の延命治療については、「どちらかというと望まない」を含めて9割近くが「望まない」とし、「望む」はわずか2・5%だった。ただ、家族の延命治療については「望まない」が7割にとどまり、「望む」は7%に増え、「分からない」も17・3%いることから、自身は望まなくても家族になると望んだり、迷う人が多いことをうかがわせている。
 元気なうちに自身の終末期医療について意思表示しておく「リビング・ウィル」にも関心は高く、81%が「必要」と答え、さらに5割の人が書面の必要性を感じている。自身が最期を迎える療養場所の問いには「自宅」と答えた人は37・9%で4割にも満たず、病院と老人施設で3割以上あった。家族の最後の療養場所も同様で、自宅は35・9%にとどまった。
 自由欄には「家族が胃ろうの延命治療をするとき、家族内で意見が割れた。本人の意思が重要」「自宅療養者にもっと厚い支援が必要」などの意見があった。同保健所の西岡倫代主任は「今回の結果を基礎データとし、リビング・ウィルをもっと啓発していくことと、在宅医療態勢を充実させるために、医師や介護員、家族らが情報を共有する方法として『患者支援ノート』を作製することなどを検討していきたい」と話している。