民間災害ボランティア団体の紀州梅の郷救助隊 (尾崎剛通会長) は、 東日本大震災で被災者の支援活動を積極的に行ったとして厚生労働大臣から感謝状を受ける。 震災発生直後から数回にわたって現地を訪問し、 人的・物的支援を展開したことが認められた。 尾崎隊長は 「大勢の人から応援していただき、 活動を行うことができた。 被災地で得た情報は地元でも生かしたい」 と話している。 感謝状を受けるのは全国で1458団体。県内では12団体で、日高地方では唯一。障害者、高齢者、児童らの要援護者に対し、身体的・精神的な生活環境改善のために積極的な支援を行ったことが高い評価を受けた。
 同隊は平成23年3月11日の発生以後、被害が大きかった宮城県を気仙沼市を中心に支援活動を展開。発生直後に現地入りし、物資を届けたり、崩れ落ちそうになっている屋根瓦撤去などの作業を行った。その後も現地に先発隊を送って現地の状況や被災者の要望などを調査し、4月には先発隊の情報を基に、貴重品を探したりする作業を行った。隊員の捜索活動で遺骨の発見につながったケースもあった。ほかにも福島第一原発事故などの影響で福島県南相馬市などから避難している被災者が多い新潟県柏崎市へ出向き、炊き出しを実施。同年8月には気仙沼市で夏祭りを行い、ゲームなどで子どもたちを元気づけた。その後もミカンを届けるなど交流を続けているほか、先月には同市で三回忌の法要や交流イベントを行う「やすらぎのつどい」も実施した。感謝状に際して、尾崎隊長は「町民をはじめ県内外から大勢の人が応援してくれたし、マスコミの協力もあった。紀伊半島では今後、南海トラフの巨大地震の発生もいわれている。被災地で得た情報を地元に還元して役立てていきたい」と話している。