鎮魂への祈り、 そして教訓生かそう。 東日本大震災の発生から丸2年となった11日と翌12日、日高地方では日高浄土宗青年会 (会長・寺坂良弘西福寺住職)が被災地の死者の追悼法要、 市と印南町内のこども園や小学校が大震災の教訓を生かした避難訓練などをそれぞれ行った。「自分たちがいまできることを」...そんな思いが強くこもった取り組みとなった。
 日高浄土宗青年会
 熊野の西福寺であり、郡市内の若手住職ら7人が参加。1時間にわたる読経を行い、三回忌に当たる死者の冥福を祈った。寺坂会長は「大震災が起きてちょうど2年になりますが、私たちにできることはお勤めだと思いました」と話している。青年会では昨年も法要を行っており、2度目。秋と年末の托鉢では集まった募金を被災地に送るなど、支援活動も行った。
 御坊小学校 市から配布されたライフジャケットを使った初の訓練で1、3、4年生ら203人が参加。授業中に地震が発生と想定し、子どもらは机の下で揺れが収まるのを待った後、いすにかけているライフジャケットで頭を守りながらグラウンドに。グラウンドでは教諭の指示でライフジャケットを身に着け、約1㌔離れた御坊中学校まで避難。混雑を避けるため2カ所の出入り口とルートを使った。ライフジャケットは頭からかぶったあと、股にも留め具がついている。 児童の中にはうまくいかず戸惑う場面も見られたが、ほとんどの子が1人でスムーズに着用できたようだった。2、5年生は昨年11月に実施している。
 印南町 印南、切目、稲原、清流の4小学校といなみこども園の3、4、5歳児の合計669人が参加して合同防災避難訓練を行った。小学校の合同訓練は3回目で、こども園が参加するのは初めて。午前10時半に震度6の地震が発生し、15分後に津波が襲来すると想定。園児はいなみっ子交流センター付近で園外活動している最中に地震に遭遇と想定し、上野山へ避難。途中、印南小の児童と合流してともに上野山を目指し、地震発生から約9分後(揺れ3分間含む)に全員が避難した。訓練は和高専の小池信昭准教授が監修しており、「児童が園児の手を引くことで避難が遅れる可能性があるのでしないように」などと講評した。このほか切目、稲原では下校時、清流では休憩時間中を想定して訓練を行った。