東日本大震災からあと1カ月で2年となる。 あの日は、 和歌山にも津波警報が発令され緊張感が高まったが、 何よりテレビで見た津波が車や家をのみ込んでいく姿や、 一面火の海になった街が衝撃的だった。 以降、 日本各地の沿岸部ではさらに防災意識が高まっただろう。
 地震、 津波への備えとして、 まず逃げて生き延びなければならない。 自分の生活スタイルの中で、 いつ地震が起こっても逃げるべき場所をシミュレーションしておく必要がある。 筆者もよく考えるのだが、 自宅は海の近くではあるが高台で、 裏には山もあるので津波が来るまでには逃げることができるだろう。 ただ市内にある会社にいるときに発生した場合はどうか。亀山までそれほど遠くはないが、渋滞で車が使えないとなると難しく、会社の屋上か近くにある大きな建物である日高振興局に行こうかなどと考えている。
 そんな中、印南町の老人大学 「シニア学園」 で和高専の小池信昭准教授から津波火災で聴いた。 それによると東日本大震災では、 津波で流された車が避難所となっている学校やビルなど頑丈な建物に積み重なりそのままショートして発火、 ガソリンに引火し大火災に。 火災で亡くなった人もかなり多かったという。 周りを津波に囲まれ孤立した建物の下から黒煙を上げた火の手が迫ってくる恐怖は想像を絶するだろう。
 建物への避難が想定される御坊市内、 また建物でなくとも孤立する可能性がある高台が避難所となっている地域では、 火災への対策を検討することが必要だ。 また個人レベルでも、 津波火災を想定した避難を頭に入れておかなければならない。  (城)