県立医科大学(和歌山市)は小児高度医療の機能強化を目指し、教育・研修体制も含めた総合的な小児医療の拠点となる「小児医療センター(仮称)」を新設する。小児白血病など感染症対策が必要な患者のための準無菌室、感染症対策室を新設し、現在は血液内科で行っている骨髄移植にも対応。4月から工事が始まり、11月には病院棟10階に開設する。
 県立医科大の小児科はことし4月から県内唯一の中核病院小児科の指定を受け、 同じ和歌山市の日赤和歌山医療センターや田辺市の社会保険紀南病院の地域小児科センターなどとの医療提携、 地域の小児科病院や産科病院とのネットワークをさらに強化させる方針。 新たに整備する小児医療センターは、 すでにある総合周産期母子医療センターとともに総合的な小児・周産期医療を提供する核となり、 1人の子どもを胎児期から新生児、 乳児、 幼児と経過を観察しながら、 家族を含むメンタル面のケアにも対応していく。
 小児医療センターは県内唯一の日本小児血液・がん学会認定施設として、 小児がんや小児白血病など感染対策を必要とする子どものため、 準無菌室 (5室) と感染症対策室 (2室) を新設。 また、 在宅看護をしている家族の負担軽減を図るため、 子どもを一時入院させる 「あずかり対応病室」 も設置し、 現在は大人の患者を基本として血液内科で実施している骨髄移植もセンターで実施できるようになるという。
 同大付属病院の小児科病棟は現在、 7階東にあり、 4月から10階東 (現在は第一外科と腎臓内科) へ移転のための工事を開始。 完成まで7階の小児科はそのまま、 10階の第一外科と腎臓内科は別のフロアへ移り、 11月には10階東に小児医療センターとしての移転が完了する。