南部高校服飾デザイン科の生徒でつくる家庭科クラブのメンバーが、 一人暮らしのお年寄り宅に届ける弁当の包装紙 「帯紙」 を作製した。 イラストを描いたり思いを込めた言葉を添えて、 高齢者に少しでも見やすいようにと色使いや文字の大きさも工夫。 「寒いですが体に気をつけて」 などの温かいメッセージが、 お年寄りに喜ばれている。
 家庭科クラブは本年度からプチボランティアに取り組んでおり、 毎月1回、 放課後を利用してデイサービスセンターゆうゆう館や南部幼稚園など生徒が希望する施設で交流を深めている。 夏休みには社会福祉協議会が募集した、 独居高齢者宅に届ける弁当の 「帯紙を作るボランティア」 に参加を考えていたが、 他のボランティア活動等の日程と重なったため断念していた。 その後の活動でお年寄りと交流を深める中で、 生徒から 「あの時はできなかったけど、 やっぱりお弁当の帯紙を作っておじいちゃんおばあちゃんに喜んでもらいたい」 との声が上がり、 学校から社協に依頼して、 あらためて製作することになった。
 今月6日に2年生30人、 20日には3年生30人が参加。 白い帯紙に色鉛筆などで思い思いのイラストを描いていった。 生徒たちは 「白内障の人や視力が低下しているお年寄りも多いので、 文字を縁取りして見やすくしよう」 「色もカラフルにした方がいい」 など高齢者の気持ちになってデザインを考えながら、 おじいちゃんおばあちゃんの笑顔、 クリスマスツリーなど見た目にもかわいいさまざまな帯紙を完成させた。 「栄養たくさんとって長生きしてね」 「体に気をつけてください」 「おいしいお弁当だよ」 など気持ちの込もったメッセージも添えており、 弁当を受け取ったお年寄りは喜んでいたという。
 顧問の湯川仁知子教諭は 「日ごろの活動を通じて、 生徒たちの高齢者への理解が深まっているのを感じました。 相手の立場になって帯紙を作っていたのがうれしかった。 これからも社協の協力を得ながらボランティア活動を続けていきたい」 と話している。