政権選択が大きな焦点となった衆院選。結果は前政権の民主党が惨敗。あれだけの体たらくを繰り返せば当然で、もはや言うこともないが、57議席獲得で野党では第1党になっており、十分な反省と自戒を経て国のために尽くしてほしい。
 また、第三極で注目された日本維新の会については選挙前の11議席から54議席への躍進。ただ、前回選挙の民主党のような強い追い風は吹かず、野党としても第2党で微妙な立ち位置。民主党を見て有権者の変革への期待感が薄らいだ中、橋下徹大阪市長や石原慎太郎前都知事は打って出るタイミングを見誤った気もするが、今後さらに大きなうねりを起こすための布石としては十分だ。
 そして今回、圧勝したのは自民、公明の両党。有権者が変革ではなく、経験と安定を望んだ結果だろう。しかし、そうは言っても戦後最低の投票率の中での政権奪還。「前の政権で有権者に悪いイメージがついた」という人もいるかもしれないが、いかに国民が政治に不信感を抱いているのかを十分念頭に入れた中での政権運営に期待したい。
 本県3区はというと、予想するもなにも、二階俊博氏の圧勝で終わった。ただ、こちらも投票率は過去最低。無関心層の増加に歯止めがかからないという印象を受ける。二階氏は当選のあいさつで「初心に帰り、郷土、国のために全力を尽くす」と言っていた。当選10回、大臣経験5回、党3役も務めるなど、中央政界ではもはや重鎮。もともとおごるような人柄じゃないのは承知しているが、なお一層若者らが政治への関心を持てるような政策と実行力を切に望むところである。    (吉)