JAみなべいなみ清川出荷会 (箱木英樹会長) は、 今月末に開かれる総会で露茜部会を立ち上げる方針を固めた。 2年前から本格的に露茜 (梅の新品種) の産地化を進めており、 現在は約30戸の農家が栽培に取り組んでいる。 きれいな赤い果汁が出るのが大きな特徴で、 すでに町内の加工業者が梅酒に使用。 箱木会長は 「今後は生産量を増やすことと栽培技術の確立が重要」 と話している。
 露茜は平成21年に独立行政法人・果樹研究所 (茨城県) が開発した梅の新品種。 果肉や果皮が紅色に着色するのが大きな特徴で、 鮮やかな赤い梅ジュースや梅酒などをつくることができる。 各地で試験的に栽培が始まっているがどこも産地化には至っておらず、 商品としてはほとんど流通していない状態だという。
 清川地区では、 数年前から農家の一部が栽培を開始。 昨年から本格的な産地化に取り組み始めた。 成木の一部に接ぎ木する 「高接ぎ」 や苗木の植栽を実施。 JAみなべいなみへの出荷量は、 昨年が40㌔、 ことしが200㌔と大きく増えた (清川以外の収穫分も含む)。 新たに植栽した苗木も年数がたつにつれて着果数が増えるため、 今後生産量も増加することが予想される。
 清川出荷会では、 今月末に開かれる総会で露茜の専門部会を立ち上げ、 産地化へ向けて一層力を入れる考えで、 新たに生産農家を募る。 生産された露茜は主として町内西本庄の梅加工業 「紀州本庄うめよし」 が梅酒の原料として使用しているが、 県立うめ研究所 (東本庄) も販売ルートの確保に協力し、 県内外の飲料メーカーらにアプローチしているという。