野田佳彦氏が再選された民主党代表選も、安倍晋三氏が返り咲いた自民党総裁選も、しらけムードにさせられた。民主党代表選は力不足の顔ぶればかりで、自民党は誰が総選挙の顔にふさわしいかや派閥の思惑なども交錯しての選挙戦というのが相変わらず。本当に国のことを考えてトップを決めているのかと疑念を持ってニュースをみるしかなかった。選ばれたのは国民との約束を破って増税に突っ走った現首相と、決選投票で逆転勝ちした元首相。いずれの選挙にしてもこの国難の時、「誰がふさわしいか」より「誰がましか」とネガティブな気持ちで待つだけしかなかったのが情けない。
 2大政党制といわれるようになって民主、自民の両党どちらかのトップが首相になる。次の総選挙では現情勢では自民党が有力とみられている。それならば、もう少し国民にも分かりやすい総裁選にできないものか。出馬する政治家は少なくとも3カ月前、できれば半年以上前にはしっかりと意思を公表すべきで、もっと長い時間をかけて自身の政策を訴えるようにし、大臣候補やブレーンもどんな人たちなのかを示してほしい。当選するため政策が二転三転するようなことはなくし、国のためこれをやりますと明確に提示してもらいたい。少しは米大統領選のやり方をならえばいいのではないか。
 民主党が期待外れで、自民党もまだ敗北以前の反省があるのかないのかはっきりとしない。「近いうち」の総選挙。維新には魅力も感じるが政権運営力が未知数という不安もあり、結局はまた民主、自民、「どっちがましか」のネガティブ投票になりかねない。とにかくすぐに、政治のデフレスパイラルを断ち切れる政治家の出現を願っている。     (賀)